2009年度 ゼミ論
正社員と非正社員所得格差
龚 韵雯 MK5253
2008-12-18
ゼミ論目次
2008-12-4
キョウ 韵ブン
正社員と非正社員所得格差
目次
はじめに
1.雇用と所得
1.1雇用形態
1.2正社員と非正社員生涯給与
2.非正社員の実情
2.1非正社員の類型
2.2非正社員の実情
2.3雇用者と非正社員
2.3.1雇用者側から見る非正社員
2.3.2非正社員のメリットとデメリット
2.4社会への影響
2.5 正社員になる理由
3.就職支援とキャリア教育
3.1国の若年者就職支援対策
3.2これからのキャリア教育
謝辞
参考文献
参考文献の引用箇所
1.雇用と所得
1.1雇用形態
1.1.1正社員[Jawp正社員] [Jawp正規雇用] [雇用形態]
1.1.2非正社員[Jawp非正社員] [Jawp非正規雇用] [雇用形態]
1.2正社員と非正社員生涯給与
1.2.1正社員と非正社員の生涯給与[長坂07] [長坂08]
1.2.2老後の年金問題[鳥居05] [老後生活]
2.非正社員の実情
2.1非正社員の類型[藤井05]
2.2非正社員の実情[藤井05]
2.3雇用者と非正社員
2.3.1雇用者側のメリットとデメリット[Jawp非正規雇用]
2.3.2非正社員のメリットとデメリット[Jawp非正規雇用]
2.3社会への影響[Jawpフリーター]
2.4正社員になる理由
3.就職支援とキャリア教育
3.1国の若年者就職支援対策[小杉06]
3.2これからのキャリア教育[小杉06]
はじめに
この論文では,大学卒の33.3%,高校卒の59.6%(2002年)が新卒非正社員(フリーター・ニート)になっている.そして,その割合は今現在も増え続けている.この割合を見て,驚く人が多いだろう.そんなに安易に非正社員(フリーター・ニート)を選んでいいのかという疑問が生じ,もっと現実を学生の皆さんに知って欲しいと思い正社員と非正社員(フリーター,ニート)について調べた.
1.では正社員と非正社員の生涯給与について調べ,驚きの所得差があることが分かる.
2.では非正社員の仕事と生活について詳しく調べ,加齢と伴に不利になる点が多く見られている.
3.では国は若年者就職にいろいろな支援対策を行っており,これから若者のキャリア教育に働く力をどう育つことかについて取り組んでいることが分かる.
1.雇用と所得
1.1雇用形態
1.1.1正社員[Jawp正社員] [Jawp正規雇用] [雇用形態]
正社員とは,正規雇用で企業に雇われた労働者の事[Jawp正社員].正規雇用とは,特定の企業(使用者)と雇用者の継続的な雇用関係において,雇用者が使用者の元でフルタイムで従業する期間を定めない雇用形態を示す.日本では1990年代以降,派遣労働や短期雇用契約など正規雇用以外の雇用形態(非正規雇用)と区別するために用いられるようになった[Jawp正規雇用].
正社員の特徴[Jawp正社員]
1.1.2非正社員[Jawpフリーター] [Jawp非正規雇用] [雇用形態]
非正社員いわゆるフリーターとは,日本では非正規雇用(アルバイトやパートタイマーなど)で生計を立てている人を指す言葉[Jawpフリーター].非正規雇用とは,期間を定めた短期契約の職員を雇う雇用形態.期間を定めない雇用契約を結ぶ正規雇用の対義語で,非典型雇用などとも言う.日本では、非正規雇用の職員には,パートタイマー,アルバイト,契約社員,派遣社員が含まれる[Jawp非正規雇用].
非正規雇用の特徴[Jawp非正規雇用]
1.2正社員と非正社員生涯給与
1.2.1正社員と非正社員の生涯給与[長坂07] [長坂08]
正社員の生涯賃金の場合学歴別では,男性は中卒2億2千万円,高卒2億6千万円,高専・短大卒2億6千万円,大学・大学院が2億9千万円(図1),女性では高卒1億9千万円,高専・短大卒2億2千万円,大学・大学院卒2億6千万円となっており(図2),学歴が高くなるにつれ生涯賃金も高まっている.学歴が高まるにつれて就業年数は短くなるが,その一方で賃金水準も高いため,結果として高学歴ほど生涯賃金が高くなっている[生涯賃金].
非正社員の生涯賃金の場合,年齢,スキルに関係なく時間給なの約6000万円といくことになる。正社員とので男性は0.9億円,女性は0.82億円となる[非正社員の生涯賃金].正社員と比べると少なくとも1.3億円の差がつく.
図1標準労働者の生涯賃金(定年まで、退職金を除く、2005年) ([生涯賃金HPより転載])
注:新規学卒から定年まで同一企業で働き続けた場合の生涯賃金
図2標準労働者の生涯賃金(定年まで、退職金を除く、2005年) ([生涯賃金HPより転載])
注:新規学卒から定年まで同一企業で働き続けた場合の生涯賃金
1.2.2老後の年金問題[鳥居05] [老後生活]
正社員は65歳以降にもらえるお金が2種類ある.それは「退職金」と「年金」である.厚生労働省の調査によると65歳以降男性の場合は18年長生できる。退職金に加えて,65歳以降に受けられる正社員男性と非正社員男性の平均的な収入を比較すると,下(図3)のようになる.非正社員には基本的に退職金がないので,65歳以降は国民年金がたよりである.多くのフリーターは国民年金を納めていないため,65歳定年後収入がゼロになることが多いのである[鳥居05].
定年からのお金の比較
国民年金 約1400万円 約5000万円の格差 退職金 約2000万円 厚生年金 約4600万円
図3([鳥居05]より作成)
このように正社員の場合,国に厚生年金に加入しており,65歳になると毎月おおむね20数万円の年金がもらえる.非正社員の場合,国民年金しか国の年金はなく,これは月額で言うと6万5千円弱,会社員とは大きな違いである.
2.非正社員の実情
2.1非正社員の類型[藤井05]
夢追求型 27.8% モラトリアム型 39.2% やむを得ず型 33.0%
図4[藤井05]より作成
上のグラフをみると非正社員を大きく3つに分類しており,さらにその3つを7つに細分化していることが分かる.
細分化した7つの類型の意味は以下のようになる[藤井05]
(1)モラトリアム型
@離学モラトリアム
A離職モラトリアム型
(2)やむを得ず型
@正規雇用志向型
A期間限定型
Bプライベート・トラブル型
(3)夢追求型
@芸能志向型
A職人・フリーランス型
2.2非正社員の実情[藤井05]
1.婚姻率が低い
2.一人暮らし率が低い
3.非正社員の生活
2.3雇用者と非正社員
2.3.1雇用者側のメリットとデメリット[Jawp非正規雇用]
メリット[Jawp非正規雇用]
· 需要や収益の変化に対応した調整を、職員の増減で行いやすい(正社員と非正社員という区分概念は日本特有のものでありアメリカ合衆国ではあらゆる従業員を容易にレイオフ可能である.日本は正社員の賞与などの賃金や残業代などの労働時間で調整する傾向が強い)
· 時間あたりの賃金が安く,退職金や社会保険料を払わないことも多いため,人件費を抑制しやすい
· 社員の教育費が削減できる
デメリット
· 知識・技術を社内に蓄積しづらい.製造業では熟練工,サービス業ではいわゆるベテランが育ちにくい.
· 正社員と比べ会社に対する忠誠度・責任感が低い.
2.3.2非正社員のメリットとデメリット[Jawp非正規雇用]
メリット[Jawp非正規雇用]
· 自分の都合に合わせて仕事の次官を調整できる
· 多くの企業に触れて経験を積むことができる。
デメリット
· 賃金が安い.賞与がない場合が多い.
· 仕事の内容が正社員と同じであっても,低賃金である.
· 勤継年数が増えても,仕事の能力が上がっても昇給はほとんどない.
· 退職金が払われないケースが多い.
· 常に自分自身でスキルアップを図らねばならない.
· 雇用形態が短期契約のため,将来への展望が不安定.
2.3社会への影響[Jawpフリーター]
不安定な就業をする者の増加が長期的に社会に与える好ましくない影響として,犯罪の増加や自殺の増加といったことも考えられる.失業率が上昇すると職に就いていない者にとってはさらに就業することが困難になり,合法的な職業活動からの期待所得が低下することになる.従って,就業していない者にとって労働市場が悪化することは,非合法な活動に携わるインセンティヴを高めることになる[松本06].
2.4個人の意見
非正社員を意識的に分けると2種類がある.積極型と消極型.
前者の積極型非正社員とは将来のビジョンや,夢をしっかり持って,その実現までは正社員で働くよりも非正社員として働くほうがいいと思い,自らあえて非正社員を選んだ人たちのことである.そして、後者は何となく正社員はだるそうだから非正社員でいいや,というように消極的に非正社員を続けている人たちのことである.
3.就職支援とキャリア教育
3.1国の若年者就職支援対策
若年者住職支援対策には,いろいろな区分の仕方があるが,ここでは,職業意識啓発,職業能力開発,就職活動支援,といった分け方で述べていく [小杉06].
@ 職業意識啓発
A 職業能力開発
B 就職活動支援
3.2キャリア教育のこれから
キャリア教育のこれからは若者働く力を育てることである [小杉06].
学校における職業に関する教育としては,大別して
@ 特別活動や道徳,総合的学習の時間における職業意識啓発や進路選択に関する理解の促進である.
A 職業に従事するうえで必要とされる知識・技術・態度を習得することを目的とする専門教育,特に工業,商業などの専門教育教科の学習を通して行う職業教育(高校段階)である.
B 社会科や技術・家庭科を通した学習である.
などがある.
このような点から,キャリア教育においても,専門高校等における日本版デュアルシステムのように,単なる意識啓発にとどまらず,早期の実践的な職業能力開発など,職業人としての生きる力と個々人の具体的な自立目標を早い時期に確立できるようにする取り組みが重要となるだろう.
参考文献
[小杉06] 小杉礼子・堀有喜衣,キャリア教育と就業支援,勁草書房,2006.
[日向07] 日向咲嗣,若者就職支援150%活用術,堂文舘出版,2007.
[藤井05] 藤井哲也,フリーターっていいの?悪いの?,ジャパンインターナショナル総合研究所,2005.
[鳥居05] 鳥居徹也,フリーター・ニートになる前に読む本,三笠書房,2005.
[松本06] 松本浩,自治体学研究,第92号,神奈川県自治総合研究センター・研究部,2006.
[長坂07] 長坂嘉昭,給料格差大図鑑,プレジデント,2007.
[長坂08] 長坂嘉昭,日本人の給料,プレジデント,2008.
参考webサイト
[Jawp正規雇用] 正規雇用,Wikipedia,アクセス日2008-11-06.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E9%9B%87%E7%94%A8
[Jawp正社員] 正社員,Wikipedia,アクセス日2008-11-06.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E7%A4%BE%E5%93%A1
[Jawp非正規雇用] 非正規雇用,Wikipedia,アクセス日2008-11-06.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E9%9B%87%E7%94%A8
[Jawpフリーター] フリーター,Wikipedia,アクセス日2008-11-06.
[ワーキングプア] ワーキングプア,Wikipedia,アクセス日2008-11-06.
[雇用形態] 雇用形態,日本労働組合総連合会,アクセス日2008-11-06.
http://www.jtuc-rengo.or.jp/index.html
http://www.jtuc-rengo.or.jp/campaign/index.html
[老後生活] フリーター、ここが危ない7箇条,AllAboutマネー,アクセス日2008-11-06.
http://allabout.co.jp/finance/401k/closeup/CU20030604/index.htm
[生涯賃金] 生涯賃金,独立行政法人労働政策研究・研究機構 アクセス日2008-12-04
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/
[非正規雇用の賃金] 非正規雇用の賃金,平成15年賃金構造基本統計調査(全国結果)の概況,厚生労働省,アクセス日2008-12-04
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z03/
[非正社員の生涯賃金] 非正社員の生涯賃金 ニートの生きる道 アクセス日2008-12-7.
http://you-more-uranai.com/item/recruit-haken.html