シラバス 経営科学概論B 駒澤大学 経営学部

 履修コード/科目名称  136551 / 経営科学概論B
 開講年度・期  2019年 後期  開講曜日・時限  木曜日 1時限
 単位数  2
 付記  ◎予
 主担当教員氏名(カナ)  西村 和夫(ニシムラ カズオ)
 副担当教員氏名(カナ)  
 授業概要

 経営学部の学生は全員が,卒業するまでに履修してほしい科目です(市場戦略学科では選択必修).

 生産活動には,物作りの技術のほかに,高能率,高品質,低コスト,短納期を達成するための効率的な生産システムの設計,改善および維持管理の技術が必要です.わが国の産業界は,いち早くIE(経営工学),OR(オペレーションズリサーチ),QC(品質管理)をはじめとする経営管理技術を導入することによって,生産,品質,コスト面で飛躍的な発展を成しとげました.

 この講義では IE,QC を中心に,経営管理技術の基本的な理論と各種の新しい手法を概説します.また,今後,経営科学系の科目を受講する上での基礎を学びます.

 到達目標(ねらい)

理解すべきこと
正規分布と標準正規分布,管理図の使用目的,抜取り検査の概念,第1種の誤りと第2種の誤り,ワークサンプリング,埋没費用の概念,環境による損得の違い,複利,現在の価値と将来の価値との差異,各グラフを利用すべき状況,チェックシート・散布図の使用目的,層別を利用すべき状況.

計算できるようになるべきこと
標準正規分布の確率から正規分布の確率への変換,現在価値のキャッシュフロー,現価と終価と年価との相互変換,単純移動平均,指数平滑法による予測,対移動平均比率法による予測.

知るべきこと
x-R管理図の作成のしかた,無作為抽出の困難さ,損得計算における減価償却費の扱いと割勘計算の危うさ.

 授業スケジュール
第 1 回 ガイダンス,
代表値,平均値と標準偏差(平均値の意味)
第 2 回 正規分布 (1)
第 3 回 正規分布 (2)
第 4 回 管理図
第 5 回 抜取り検査(生産者危険と消費者危険)
第 6 回 標本調査と検定
第 7 回 経済性工学(埋没費用)
第 8 回 経済性工学(手余り状態/手不足状態, 減価償却費の扱い,割勘計算)
第 9 回 複利と現在価値
第 10 回 現在価値 DCF (現価と終価の変換)
第 11 回 現在価値 DCF (年価との変換)
第 12 回 時系列データの予測(指数平滑法)
第 13 回 時系列データの予測(対移動平均比率法)
第 14 回 回帰直線(相関関係と因果関係との違い);
QC 七つ道具(グラフ,ヒストグラム,管理図,チェックシート,パレート図,特性要因図,散布図,層別)
第 15 回 パレート図とABC分析,ガントチャート,ブレインストーミング,KJ法,デルファイ法,ポアソン分布
 準備学習 授業用 Web ページ [1] を読んでおいてください.
 履修上の留意点等

 履修に際して予備的な知識は必要としません.

 各種手法についての理解を深めるために,毎回演習 を行い,結果の 画像を YeStudy に提出 してもらいます.一部で,反転授業を行う予定です.

 関連科目: 経営統計 A,経営数学 A,確率・統計入門 A,管理会計論; (市) 計量経済学,経営統計 B,マネジメント・サイエンス A,マーケティング・リサーチ A/B

 成績評価の方法
65 % 試験
レポート
小テスト
14 % 平常点
14 %
演習
4 %
課題授業
3 %
意見

毎回,出席 を取り,演習結果の 画像を提出 していただきます.(YeStudy に登録してもらうためでもあります).
 教科書/テキスト

[1] 授業用 Web ページ: https://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/Nis/lecture/mansci/

[2] YeStudy (http://yestudy.komazawa-u.ac.jp/2019/course/view.php?id=2778)

[3] 必要に応じて,教材プリントを配布します.

 参考書
 図書館蔵書検索 図書館蔵書検索

[4] 秋庭雅夫ほか『経営工学概論』朝倉書店, 1988, ¥3,800. ISBN 978-4254209518.

[5] 佃純誠ほか『新しい経営工学』中央経済社, 1997, ¥3,780. ISBN 978-4502408854.

 学生による授業アンケート結果等による授業内容・方法の改善について

 昨年度の授業も定刻どおりに行われ,休講はありませんでした.毎回演習を行って,YeStudy に提出してもらいました.

 アンケートによれば,授業にはシラバスの内容が反映され(選択肢 5+4 で 84%),受講を決める際に役に立っているそうです.進み方はほぼ適切であり(同 70%),資料は授業内容を理解するうえでほぼ効果的だった(65%)いうことです.進み方は,一昨年度から12ポイント上がっています.

 担当教員の熱意(83%),話し方(74%),板書やスクリーンの文字(63%)は良好でした.静粛な環境づくりへの配慮(77%),意見や質問への対応(45%)も良好でした.

 内容の理解(59%)・興味(60%)・達成(55%)については,選択肢 3 が25%ほどでした.理解は,一昨年度から 12 ポイント増えています.

 自由記述欄において,「3年目にして初めて大学の授業に本気で興味がもてた。」という意見がありました.「毎回の演習があるのでしっかり授業に取り組める」,「……復習する気になれる。」という意見もありました.

 「演習の提出締切が早い。」という意見があったので,アンケートの翌週から1日延ばしました.「演習問題の解説を丁寧にしてほしい。」という意見が複数あったので,締切り後に解説を YeStudy に載せる ようにし,好評でした.

 関連リンク
 実務経験がある教員による授業科目