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このページの下部に掲載した城のリストがあります.
全国城郭研究者セミナーは,私たち中世城郭研究会が運営に携わる研究集会として,現在まで 26 年間にわたって毎年夏に開かれてきた.内容について,批判的な意見もあるのは重々承知しているが,もしこの「セミナー」がなかったらどういう研究状況になっていたかを考えれば,続けてきたことそれ自体にひとつの意義があることも,認めていただけるのではなかろうか.
2006 年,京都府の木津で行われたその「セミナー」の,確か二次会の席で,藤木久志さんから,中心になってきた中城研の主力メンバーが近く還暦を迎えるから,節目として論文集を出してはどうか,というご提案をいただいた.草創期以来,本会の屋台骨を担ってきた八巻孝夫さん・藤井尚夫さん・藤本正行さん・池田誠さん・佐伯正廣さん・中井正代さんは,実際,気づけばほぼ同年で,その後次々と還暦を迎えられたのだった.
とはいえ,会誌『中世城郭研究』と並行してもう1冊の論文集というのは,現実的には大変むずかしい.さりとて外部メンバーがたくさん入った論文集では,還暦を迎えた方々に対して,どこかよそよそしさを否めない.例会での相談を経て,私たちは,中城研らしい図面集を基本とした1冊を作る,という方針を定めた.
本書は名城集ではない.直接思い出を記すことはしないが,会として例会や合宿で訪ね,あるいはさまざまな談話の中で関心を刺激されて個人で行った城を広く取り上げた.このため,会員の日常的活動の範囲として身近な東日本のみを対象にした.ただし,既発表の図は一切載せていない.よく知られている城でも,この人の縄張図は初めて,というものばかりである.通覧していただければ,東国の中世城郭の奥深い魅力と,それに惹かれて歩き続けてきた本会の軌跡とを見てとれると思う.また,これまで会誌を含め執筆の機会がなかった若手会員に少しでも原稿を書いてもらい,これからの活動につなげたいとも考えた.
終わりには,ベテラン会員の未刊の口頭報告や,目に触れる機会のほとんどない初期論考も収録した.本書の行間には,本会の過去・現在・未来が凝縮されているともいえる.
中城研の原点は,やはり「近世城郭でなく,中世城郭の魅力をきわめよう」という志だと思う.そうした原点を,この作業を通じて,私たち自身も再確認したい.それが,長く研究状況をリードしてきた先達の方々に,何より深い敬意を表すことにもなると信じる.
2010 年春 『東国の中世城郭』編集委員会
項目 | ページ | ||
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刊行にあたって | 1 | ||
目次/凡例 | 2 | ||
第1部 東日本の城郭縄張図集 | |||
県名 | 城郭名 | 執筆者 | ページ |
北海道 | タブ山チャシ | 西股 総生 | 6 |
アオシマナイチャシ | 西股 総生 | 8 | |
倉栄チャシ | 西股 総生 | 9 | |
桂ヶ丘チャシ | 西股 総生 | 10 | |
アッテウシのチャシ | 三島 正之 | 11 | |
青森県 | 湯口茶臼館 | 関口 和也 | 12 |
黒土館 | 関口 和也 | 13 | |
真言館 | 松岡 進 | 14 | |
岩手県 | 座主館 | 三島 正之 | 15 |
秋田県 | 一ッ森館 | 松岡 進 | 16 |
宮城県 | 盛館 | 小山 文好 | 17 |
丸山館 | 三島 正之 | 18 | |
三分一所城 | 大久保 健司 | 19 | |
七尾城 | 大久保 健司 | 20 | |
山形県 | 志田館 | 松岡 進 | 22 |
松ノ木館 | 三島 正之 | 23 | |
福島県 | 舘ノ越遺跡 | 松岡 進 | 24 |
蛭館 | 関口 和也 | 25 | |
檜原城 | 三島 正之 | 26 | |
勝蔵山城 | 田嶌 貴久美 | 28 | |
小林館 | 西股 総生 | 29 | |
久川城 | 大久保 健司 | 30 | |
宮本館 | 関口 和也 | 32 | |
茨城県 | 飯塚館 | 西村 和夫 | 33 |
竹原城 | 松岡 進 | 34 | |
坂戸城 | 小山 文好 | 35 | |
塙城 | 大久保 健司 | 36 | |
花畑城 | 関口 和也 | 38 | |
三階城 | 三島 正之 | 39 | |
徳宿城 | 三島 正之 | 40 | |
栃木県 | 芦野城 | 渡邉 昌樹 | 41 |
杉渡土要害 | 関口 和也 | 42 | |
小志鳥城 | 渡邉 昌樹 | 43 | |
東戸田城 | 渡邉 昌樹 | 44 | |
鞍ヶ崎城 | 渡邉 昌樹 | 45 | |
市花輪城 | 関口 和也 | 46 | |
雨乞山城 | 関口 和也 | 47 | |
石那田城 | 関口 和也 | 48 | |
犬飼城 | 目黒 公司 | 49 | |
岡本城 | 渡邉 昌樹 | 50 | |
田中城 | 関口 和也 | 51 | |
群馬県 | 宮野城 | 関口 和也 | 52 |
尻高城 | 新井 正治 | 53 | |
権現山城 | 新井 正治 | 54 | |
中山古城 | 新井 正治 | 56 | |
磯部城 | 目黒 公司 | 58 | |
譲原城 | 大久保 健司 | 59 | |
千葉県 | 前ヶ崎城 | 池田 光雄 | 60 |
寺崎城 | 中井 正代 | 61 | |
太田要害 | 西股 総生 | 62 | |
大篠塚城 | 西股 総生 | 63 | |
馬渡大内城 | 田嶌 貴久美 | 64 | |
生谷城 | 池田 光雄 | 65 | |
下岩橋城 | 中井 正代 | 66 | |
名古屋城の腰城 | 中井 正代 | 67 | |
村田城 | 三島 正之 | 68 | |
栄福寺館 | 松岡 進 | 70 | |
宍倉城 | 三島 正之 | 71 | |
萱落城 | 中井 正代 | 72 | |
烏山城 | 松岡 進 | 73 | |
埼玉県 | 上杉館 | 松岡 進 | 74 |
足利基氏塁 | 関口 和也 | 75 | |
三ツ木城 | 関口 和也 | 76 | |
東京都 | 鶴川城 | 三島 正之 | 77 |
神奈川県 | 小机城 | 西村 和夫 | 78 |
一升桝の塁 | 西股 総生 | 80 | |
早川城 | 佐藤 旺 | 82 | |
岡津古久城 | 西股 総生 | 83 | |
上ノ山城 | 西股 総生 | 84 | |
真田城 | 佐藤 旺 | 86 | |
高麗山城 | 松岡 進 | 87 | |
浜居場城 | 田嶌 貴久美 | 88 | |
足柄城 | 田嶌 貴久美 | 89 | |
足柄城支城群 | 田嶌 貴久美 | 90 | |
進士ヶ城 | 田嶌 貴久美 | 92 | |
塔ノ峰城 | 田嶌 貴久美 | 93 | |
新潟県 | 大葉沢城 | 八巻 孝夫 | 94 |
石間城 | 西股 総生 | 96 | |
荒戸城 | 田嶌 貴久美 | 97 | |
堀之内城 | 目黒 公司 | 98 | |
今井城 | 三島 正之 | 99 | |
安田城 | 関口 和也 | 100 | |
宮浦城 | 松岡 進 | 101 | |
山梨県 | 旭山城 | 西股 総生 | 102 |
獅子吼城 | 大久保 健司 | 104 | |
長野県 | 楽厳寺城 | 松岡 進 | 106 |
耳取城 | 松岡 進 | 107 | |
松尾古城 | 大久保 健司 | 108 | |
天白城 | 関口 和也 | 110 | |
藤沢城 | 西股 総生 | 111 | |
的場城 | 大久保 健司 | 112 | |
山田城 | 大久保 健司 | 113 | |
蟻塚城 | 堀 謙作 | 114 | |
守屋山城 | 堀 謙作 | 116 | |
春日城 | 松岡 進 | 118 | |
静岡県 | 南一色城 | 田嶌 貴久美 | 119 |
下田城 | 八巻 孝夫 | 120 | |
山中城 | 八巻 孝夫 | 122 | |
大畑城 | 西股 総生 | 124 | |
丸子城 | 大久保 健司 | 126 | |
小長井城 (正誤表) | 西股 総生 | 128 | |
堀田城 | 三島 正之 | 130 | |
天方城 | 松岡 進 | 131 | |
社山城 | 大久保 健司 | 132 | |
飯田城 | 大久保 健司 | 134 | |
第2部 再録旧稿・未公刊報告集 | |||
記事 (*) | 執筆者 | ページ | |
古城散策 | 藤井 尚夫 | 141 | |
陣城 | 三島 正之 | 147 | |
中世城郭をどう見るか | 本田 昇 | 153 | |
執筆者一覧・編集後記 | 174 |
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(Excel) ページごとの記事・図面と執筆者.xls
お詫びと訂正
P. 128 の下段本文(執筆者名も含む)に欠落がありました.正誤表を 3 種類の形式で掲載いたします.2010年8月5日 『東国の中世城郭』編集委員会