改訂 2019-07-18 ← 作成 2008-07-19
駒澤大学 経営学部 西村和夫
(0) 学期の初めに過去問題を配る.
これで,どういう科目なのかが,どんなガイダンスよりもよく分かると思う.
どうせ過去問題は流布するもの.それなら,こちらから配ってしまう.
→ 今は Web ページに「サンプル問題」として掲載している.毎年変える必要がないので,このほうがよい.
(1) 基本的に出席は取らない.
試験さえできれば,単位は与える.能力があればよい.
出席を取ると,つけ込みなど余分な作業が発生し,時間の無駄.
→ 今はコンピュータで自動的に出席の集計ができるようになったので,状況は変わった (2012).
(出席者に)アンケートを取ると,出席を取ってほしいという学生が多い.
→ さらに状況は変わり,ほぼ毎回,演習・議論,反転授業などのアクティブ・ラーニングを行って,平常点を付けるようになった (2017).
(2) 科目と受講者数によっては,抜き打ちテストを 5 回ほど行い,学生が自分で採点する.
出席を取る代わりにする.各回 2 点で,合計 10 点(けっこう大きい).
問題は,その授業か前回の授業で講義した内容をそのまま.
1回もテストを受けていない者は気楽に不合格にできる.
→ 状況が変わり,抜き打ちテストではなく,ほぼ毎回,演習などを行うようになっている (2017).
(3) 文科省の方針によって状況が変わり,ほぼ毎回,演習・議論,反転授業などのアクティブ・ラーニングを行うようになっている (2017). やってみると,何点かのメリットがあり,このほうが良さそうだ.まじめに参加した人に,平常点を与えている. ただし,毎週評価をするという手間がかかるので,大人数の授業では TA が必要だろう.
(4) 科目の性質によっては,自筆ノート1枚だけの持込みを認める.
自筆に限るので,重要な部分を選んでまとめるという学習をすることになる.
これも提出してもらう.基本的に採点はしないが,ろくなことが書いていない者は,
不合格になっても良心が痛まなくて済む(ひどい場合には書いてあるのが過去問の解答だけというのがある).
# この方法は,故中西正和先生から引き継いだ.カンニングを抑止できる.
将来,必要になったときに調べれば済む公式などは,覚える必要がない.科目によっては,重要な公式を問題用紙にさりげなく書いておく.また,そうすることを授業中に言っておく.
(5) やさしい問題を作ること. 事後に合格させるのに窮々とするよりも,点を取りやすくしておく.
(6) たとえば,2者択一(○×)20 点と5者択一 20 点で全体の半分近くの点が取れるようにする. ランダムに答えても2択の 1/2 と5択の 1/5 が正解するので,ゲタの期待値が 20*1/2 + 20*1/5 = 10 + 4 = 14 点になる.
(7) 応用問題は,出しても最後の一つ(配点の 1/5 以内)にする. 応用力=知能 (IQ) を問うような問題にしてはいけない. 基本的に,教えたことがそのまま理解できているかどうかだけを問う.
(8) ほとんどの場合に合計点を 100 点以上にする.これで 60 点を取れば合格にする.
多くの教員の意見として,学力と点数とは比例しないという.
60 点でなんとか合格する人がいる一方で,やすやすと 100 点以上を取る学生がいる.
成績を付けるときは,60 点以上の得点を非線形変換する.
たとえば,得点の最大値 140 を評価点 100 に変換したいときは,次の 2 次式で変換すればよい(図1).
こうすることを授業開始時に宣言しておく.
−(1/200)*(得点−150)2 + 100.5
図1 得点から評価点への変換 (Excel での計算)
[上式の元の式は 60 + (得点−60)/2 − (得点−60)*(得点−140)/200 であり,この式のほうが応用が利く.ここで,2 = (140−60)/(100−60) である.最後の 200 は放物線の曲がり具合を表し,自由に調整ができる.(ワークシート)]
(本当は指数関数を使うほうが合理的なのだろうが,その 2 次近似と思えば悪くはない.)
(9) 試験を 2 回(中間+期末)する場合,中間試験は非常に簡単にする. 中間試験でほぼ満点を取れば,途中でリタイヤしなくなるだろう. ただし,安心してサボるようになっても困るので,配点を 30 点にしていた.
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