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出典: 佃 純誠ほか『新しい経営工学』中央経済社, 1997.
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↑ とても良い本です!
移行事項 | 内容 | 起因 | 問題 | 課題 |
---|---|---|---|---|
高齢化 | 高齢者(65 歳以上)の増加, 若者の相対的減少 |
医療の進歩, 女性の晩婚化, 少子化 |
年金財政の困窮, 医療費の増大, 人口の減少, 活力の減退 |
高齢者対応システムの開発(高齢者が働ける環境作り), 意識改革(自助努力) |
国際化 | 日本企業の海外進出(直接投資) | 日本の経済力・技術力の向上, 円レートの上昇 |
国内の空洞化, 熟練技能の衰退, 雇用のミスマッチ, 失業/雇用不安 |
研究技術開発の振興, ベンチャ・ビジネスの振興, 雇用情報システム, 再訓練・再配置システム |
海外居住・旅行者の増加 | 情報化 | 犯罪被害リスクの増加 | 効果的情報提供, リスクマネジメント |
|
外国企業の日本進出 | 国際摩擦 (参入,系列) |
規制緩和 | ||
外国人居住者の増加 | 社会保険・納税・参政権・公務員 | 制度の見直し, 規制緩和 |
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情報化 | パソコンの普及, ネットワークの拡充 |
情報技術の進歩 | 情報の氾濫 | 情報整理技術の開発 |
衛星放送の拡充 | 生産技術の進歩 | 民主化要求の増大による政情不安 | ||
携帯電話の普及 | 規制緩和 |
移行事項 | 従来の傾向 | → | 今後の傾向/必要性 |
---|---|---|---|
価値観 | 経済効率優先, 生産性・利益, 経済成長重視(他は犠牲) |
→ | 制約付き広範囲の緩やかな効率向上または現状効率の維持, 人間性・ゆとり・自然環境保全・安全性・公平性・透明性重視 |
物的価値の重視, 量・拡大, 物 |
→ | 精神的価値の重視, 質・適度な規模, サービス・情報 |
|
製造コスト | → | ライフサイクル・コスト | |
企業単位のコストを考慮 (企業レベルの最適化) |
→ | 企業を含む社会全体のコストを考慮 (社会レベルの最適化) |
|
画一性 | → | 多様性・独創性 | |
競争 | → | 共生 (symbiosis) | |
[物的]生活水準(高さ,豊富) | → | ライフスタイル(自由度・好み) | |
リーダーシップ | → | コンセンサス(同意) | |
問題のとらえ方 | [時間]短期的 | → | より長期的( → ライフサイクル) |
[空間]局所的(自社内) 部分 |
→ | より広範囲(社会;地域社会/国全体/世界) 全体 |
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できるだけ単純化 (最適化できる程度まで) |
→ | 問題の複雑性・多面性をできるだけ残す (過度に単純化しない) |
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定式化 | 満足(プラスの影響)の最大化 (不満の大きさは制約) |
→ | 不満(マイナスの影響)の最小化 (満足の大きさは制約) |
問題の解き方 | 最適化, 部分(局所的)最適化 |
→ | 準最適化/準満足化(必ずしも最適化にこだわらない), 全体最適化 |
社会のパラダイムシフトと,企業のパラダイムシフト
社会 | 資源収奪社会(従来) | → | リサイクル社会(今後) | |
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本質 | 一方向型自然収奪 | → | 資源の循環再使用 | |
実態 | 大量生産 → 大量消費 → 大量廃棄 | → | 必要量生産 → 消費 → 回収/再利用 | |
処女資源依存 | → | 回収資源依存, コンポネント交換(修理・再利用), 廃品回収システム, 分解工場 |
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化石燃料依存 | → | 自然エネルギ依存 | ||
属性 | 場 | 文明の成長期 | → | 文明の成熟期 |
作用 | 天然資源の枯渇,種の絶滅 | → | 資源の保存(鉱物・動植物,種,生態系) | |
環境負荷の集積/増大 | → | 環境負荷の低減/最小化 | ||
環境負荷(資源の消費速度) > 自然の再生力・浄化力 | → | 環境負荷 ≦ 自然の再生力・浄化力 | ||
関係 | 経済成長至上の価値観 | → | 調和重視の価値観 | |
効率至上 | → | 多価値のバランス重視 | ||
加速度的発展 | → | 持続可能な発展 (sustainable development) | ||
廃棄スペース | → | 回収/再利用技術 | ||
性質 | 地球破壊性,自滅性 | → | 共存性,保存性,安定性,永続性 | |
状態 | 末期的 | → | 初期的(揺籃期) |
移行事項 | 従来の姿 | → | 今後の姿 |
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社会 | 資源収奪社会 | → | リサイクル社会 |
経済 | 有形物ベース | → | 無形物ベース |
組織型 | ピラミッド | → | 水平型・同心円型・ネットワーク型 |
組織構成 | 階層化 閉鎖的 |
→ | フラット化 開放的(オープン化) |
マーケティング | 市場中心 製品中心 |
→ | 顧客(消費者)中心 サービス(効用)中心(ソフト化) |
生産 | 少種多量 → 多種少量 | → | 変種変量 ユーザが製品を完成させる コンポネント/半製品 → 組合せ |
技術 | 環境破壊型(自己最適化型) 資源収奪型 |
→ | 環境保全型 資源再生型 |
原材料 | 処女資源 | → | 再生資源(再利用) |
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