「どこでもコンピュータの時代」
2004 慶應連合三田会 大会
では,慶應義塾大学理工学部同窓会と共催で,
坂村 健 君(1974 年工学部卒,現 東京大学大学院情報学環教授)の講演会を開催しました.
報告
10 月 17 日に開催された連合三田会大会で,32 期電気卒の坂村健君が,表記演題で講演しました.会場となった第4校舎の大教室は聴講者で一杯となり,立って聴講された方も多数となる程の大盛況でした.
内容は,どこでもコンピュータ(ユビキタスコンピュータ)を実現するテクノロジー
の話に留まらず,自らの考え・知恵で進めて行く「自律」の重要性,日本が変革していくために必要なことなど,坂村君の熱い思いが語られ,聴講者におおいなる感銘を与えた講演でした。
講演の要旨
- 将来のコンピュータは大型化していくと思われていた 20 年以上昔,マイクロコンピュータの出現を見て,小さいコンピュータが,身の回り・生活のどこにでも/いつでも浸透する時代が来るという信念で研究を行ってきた.
- 自分は,常に日本独自,自ら作り出した技術が必要という考えで研究を進めてきた.これは,慶應義塾,福澤先生から学んだ大きなことだと思っている.
- 「どこでもコンピュータ」を表すユビキタスコンピューティングはラテン語のユビキタス(どこにでもある)から来ている.
- ユビキタスコンピューティングは生活に入ってくるのだから,その国の文化・生活に合った導入が必要であり,日本のユビキタスは日本で考えるべきである.
- 日本が変わっていくには,
- 「最後まで行くぞ」の目的意識
- 行ったことを評価し,駄目だったらやりなおすことを躊躇わない意識
- 情報公開
が必要である.
- 日本は世界第 2 の経済大国なのだから,「自信を持つこと」が大切だ!
<記: 電気・寺嶋>