恒例の塾員の集いである「慶應連合三田会大会」が,10 月 15 日(日)に日吉キャンパスで開催されました. あいにくの雨でしたが,朝早くから塾員やその家族などで熱気にあふれました.
12 時半から第 4 校舎 J11 教室で,理工学部同窓会総会が開催されました.落合同窓会長の挨拶の後,収支報告,そして同窓会奨学金を授与された学生たちが登壇して,お礼の言葉を述べました.
13 時からは,理工学部同窓会による特別講演会がありました.
冨田 洋 君(35期・応用化学科卒)
「災害に強くしなやかな社会づくりのために ― 貢献工学・減災学のすすめ ―」
開口一番,奨学生たちに向かって,「慶應はいい大学だぞぉ.在学中は分からないかもしれないけれど,卒業すると分かる!」と声を掛けました.本当にそうだと思います.
12:51
まず,ご自身と起業した会社の経歴を紹介.
13:00世界初の【トンネル】調査システムを考案
数々の失敗にめげず…
気概を買われて,諸先輩の指導を受け…
世界初の【空洞】探査システムを開発
火事にもめげず…
社員の離反も経験して…
稲盛氏から,企業理念の重要さを学びました.
理念: 「社員を幸せにし,社会に貢献する」
国連から依頼されて,【対人地雷】探知に技術協力する.
トータル支援の必要性を現地で体感し,地雷除去 NGO JAHDS を創設.
こんなに小さなプラスチック製の地雷を探知する.
ここでしっかり,奥様に感謝の表明をしていらっしゃいました.
無理がたたる
効果の高いクメール遺跡にターゲットを絞り,成功する.
道路下の空洞,水道管などの位置,橋の内部などの調査が可能.
大地震では,古い下水道管の周囲に陥没が多発した.
都内にも,空洞がたくさんある.
GoogleMap + 地下の立体地図
活用例: 関係者間でのデータ共有,既存埋設物との干渉検査,将来構想
人間は,本来,助け合う生物.
13:30それは,心理実験の結果でも分かっている.
日本中どこでも 12 時間以内に緊急調査できる態勢を構築
しかし,路面下総点検は進まない ― 今そこにある危機
減災のために,空洞への対策が必要.
リジリエンス: 落ち込んでも大丈夫だと思える心
福沢先生は,工学者倫理の必要性を予感していた.
寄附講座「貢献工学・減災学」のスケジュール
講座の人気は上昇し,2018 年には高校でも.
短い時間に話題は多岐にわたり,我々は引き込まれて時間がたつのを感じませんでした. 災害への準備の必要性を改めて感じ,身が引き締まる思いがしました. 都市部での減災のために,せめて路面下の空洞を埋めておくべきなのは明らかです. そのために,我々は何ができるでしょうか.
学生時代にこういう話が聴ける後輩たちは幸せだと思いました.
講演会終了後に 32 期で恒例の記念撮影を行いました.
その後会場を日吉ファカルティクラブに移しての「32懇親会」.25 名の同期生と家族 1 名が参加し,近況報告,思い出話などに花が咲きました.懇親会では,あっという間に楽しい時間が過ぎてしまいました.
西村(管理工学科卒)記
冨田 洋 君の紹介
ジオ・サーチ株式会社 代表取締役社長
1977 年 慶應義塾大学工学部応用化学科 卒業
1989 年 ジオ・サーチ社を創設し,世界初の道路陥没を予防するシステムを実用化
1998 年 世界初の企業連合による地雷除去 NGO JAHDS を創設し,活動を現地団体に継承(2006 年)
地雷探知技術を進化させ,世界初の地中・構造物内部を高速高解像度で透視できる「スケルカ」を実用化
2011 年 3.11 大震災直後から被災地での陥没予防と国内外の事前防災・減災に向けて活動中
2015 年 慶應義塾大学理工学部に寄付講座「貢献工学・減災学」を開設
受賞
2001 年 慶應義塾大学理工学部 第 1 回 矢上賞
2012 年 アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー特別賞
2015 年 第 1 回 ジャパン・レジリエンス・アワード 古屋圭司(初代国土強靭化担当大臣)賞
連合三田会大会の報告 |
特別講演会の内容 |
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32懇親会の写真 |
今までの講演会(2016年,2015,14,13,12,11,10,09,08,07,06,05,04) |
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