経営科学概論Ａ(火3)(西村　和夫)

授業では充分に言えないことを，ここに補足しておきます。

1.  危機管理の授業をする理由

なぜ「危機管理」の授業をするのか．

• 危機管理 (Crisis Management) は，経営において会社の存続にかかわる重要な位置を占める．しかし，それを扱う授業がない（経営学科の「経営戦略論」では１回の授業をするそうだ）．
• ある地理学者が，過去のデータの解析結果から，2004 年に東海地域で大地震が起こると予測した．それから，すでに 16 年も経っている．今すぐ大地震が起こっても全く不思議ではない．
• 広域避難場所である駒沢公園の隣にある駒澤大学では，より重要だ．大地震が発生したときに諸君が駒澤大学にいる可能性は１／４ほどだ．大地震の発生直後には，帰宅は困難だ．必然的に，ボランティアになって支援活動をすることになるだろう．
• 大地震が発生する可能性が高いことが分かっているのだから，準備すべきだ．

2.  葬儀委員長になる準備

諸君の半数程度は，親の葬式で 葬儀委員長 になりそうだ．

• もしご両親が健在であって，不幸にして片方が亡くなった場合，喪主には伴侶がなる．喪主は飾りであって，泣いていればよい．仕事はできない場合が多い．
• 現場を差配するのは，葬儀委員長であるあなたの仕事だ．または，葬儀委員長である兄姉の補佐をすることになるだろう．
• 仕事には，葬儀社と寺との交渉，故人の知人への連絡，受付の手配，親戚の接待，親戚と来客と受付の食事の手配などがある．
• 事故などで突発的に発生する可能性があるので，準備しておくほうがよい．
  

3.  危機管理をする可能性

危機管理は，突然，あなたの仕事になる ことがある．

• 生涯に何度も，危機管理をする事態になるだろう．遠い世界のことではない．
• 例えば，次に挙げることをどれも経験しないということは，ほぼありえない．
  • 事故，火災，病気，強盗，盗難，からまれ，恋愛事件．
  • 親の葬儀，家族の事故・怪我・病気，子の発熱・嘔吐．
  • 勤務先会社における不正事件，製品の欠陥，部下社員の事故・怪我・病気など．
  • 自身の業務上の過失．
  • 平社員であっても，何らかの事故の対策係に任命される可能性がある．