織豊期城郭研究集会 2013 Symposium（終了）

織豊期城郭研究会は，城跡の発掘調査に携わっていた文化財行政職員が中心となり，平成４年（1992）に滋賀県の安土町で開催した第１回研究集会にて正式に発足し，平成 14 年（2002）の第 10 回研究集会「織豊期城郭研究 10 年の成果と展望」までの 10 年間，さらには平成 19 年（2007）２月に熊本における「破城」をテーマに再開第１回目の研究集会を開催しましたが，その後は事務局の諸事情により第２回目の研究集会が開催できずにおりました．

しかしながら，その後の再開を切望する声を受け，当初メンバーをオブザーバーに，事務局を若手主体に切り替え，新たに 10 年を一区切りとした研究集会を開催する体制を整え，平成 23 年（2011）９月に滋賀県彦根市において復活第１回目の集会として『織豊系城郭の支城』，続いて鳥取県鳥取市において『織豊系城郭の陣城』をテーマに開催し，盛況の内に会を終えることが出来ました．これらのテーマは，前回シリーズの織豊系城郭の特質を明らかにしてきたことをうけて，必ずしも石垣・瓦・礎石建物の三点セットが揃わない城跡を支城・陣城として採り上げて，その多様性を明らかにするというものでした．今後は国外の倭城にも目を向けることも含めるのと同時に，会発足時からおよそ 20 年が経過した今，新資料が増加したことをうけての再整理と共通認識の確保という内容を設けて行く予定です．今後，研究会としましては，考古学的な城郭遺構論を展開する上で必要不可欠な要素と考える石垣・瓦・礎石建物など発掘調査資料を中心とした再検討を進めて参りたいと考えております．

そこで 2013 年度高槻研究集会では，今後の研究会の方向性を踏まえまして，これまでの織豊系城郭研究を振り返るとともに，織豊系城郭の各要素が導入される直前の様相を明らかにし，現状や課題を皆様と把握し整理しながら，今後の研究の視点を提示することを目的とします．

また，前回シリーズを担った世代から次世代への研究成果の継承と次世代間でも情報交換の場として会を提供することも大きな目的でもあります．

最後になりますが，今回の研究集会は，高槻市教育委員会の御共催により，２日間にわたる研究集会への多大なる御協力をいただいており，盛大で実りのある会にしたく存じますので，みなさま方のご参加をお待ちしております．

2013 年 6 月 1 日

織豊期城郭研究会事務局

終了しました

織豊系城郭の出現と成立前夜