開催概要

日時
2026年8月29日(土)・30日(日)※変更する可能性があります.
会場
駒澤大学深沢キャンパス(東京都世田谷区深沢6-8-18)
主催
第42回全国城郭研究者セミナー実行委員会・中世城郭研究会
参加申込み
2026年6月から受け付けます.

全国城郭研究者セミナーの概要

Wikipedia から抜粋)

第42回全国城郭研究者セミナー:中世城郭の「櫓台」趣旨説明

1.はじめに

第42回全国城郭研究者セミナーのテーマは中世城郭の「櫓台」です。一般に「櫓台」と聞けば、近世城郭における石垣造りのそれを想起するでしょう。しかし今回のセミナーが検証の対象とするのはその多くが土造りの、中世城郭の「櫓台」です。

これまで全国城郭研究者セミナーでは、堀、虎口、馬出といった城郭を構成するさまざまなパーツについて議論してきました。しかし、「櫓台」は多くの中世城郭において認められる普遍的な存在であるにもかかわらず、その形状、立地、機能の整理が十分になされているとは言えず、定義が広く共有されているとは言いがたい状況です。台上に実際に櫓が建っていたのかどうかもふくめ、その評価は各調査者や研究者の判断に委ねられているのが現状ではないでしょうか。

そのため、今回のセミナーでは中世城郭の「櫓台」をテーマとし、各地域の具体的事例に基づく報告と討論を通じて、その実態についての共通理解を形成することを目的とします。

2.中世城郭の「櫓台」とはなにか

このセミナーでは議論を進めるための作業仮説として、中世城郭の「櫓台」(以下、櫓台)を以下のように定義します。

塁線に接して形成された方形、またはそれに準ずる土壇であって、兵員の配置や防御・制圧機能を想定しうる遺構

櫓台の形状は方形、あるいはそれに近いものを基本としながらも、台形、不定形、指差し状の突出部、中央が窪んだものなど多様です。土塁の一部として形成される場合と単独の土壇として築かれる場合があり、塁線から外側に張り出すものと張り出さないものがあります。

櫓台の立地は、塁線上で外側の堀との高低差を確保できる場所、あるいは塁線の隅部や折りの部分に設けられる例が多いようです。また塁線の途中に設けられる場合も張り出しのある場所に設けられる場合が多くあり、こうした立地は、高低差の形成や横矢掛かりを意識した配置であり、櫓台が城郭を防御するための一要素として意図的に設けられたことを示します。

櫓台の機能については本別紙に記した研究史を踏まえつつ、以下の5つのタイプに分類しました。


①塁線や堀・堀切と組み合わさり高低差を利用して堀部を制圧するもの。

②塁線からの張り出しによって横堀内・対岸・塁壁などに横矢を掛けるもの。

③虎口に対し横矢を効かせるなどして制圧するもの。

④虎口以外への導線を統制するもの。

⑤見張り等、塁線とは離れてやや性格を異にするもの。


なお、台上に櫓が実際に存在したかどうかについては問わないこととします。というのは地表面観察でも、あるいは発掘調査の成果でも、明確に判断できない事例が多く見られるからです。

そこで今回のセミナーでは、櫓の有無を前提条件とせず、先に示した定義(形状、立地、機能)にかなうものであれば、櫓台として検討の対象とします。

3.今回のセミナーの目的と報告の視点

今回のセミナーの第一の目的は、具体的な遺構観察と縄張図研究に基づき、櫓台がなぜその場所に設けられ、どのような機能を担っていたのかを明らかにすることです。報告者の皆様には、櫓台の位置、形状、周辺遺構との関係を示したうえで、前章で示した5つの機能類型を参考に整理をお願いしています。

第二の目的は、各地域の報告を集積することで、櫓台の分布や地域差を把握することです。機能別に整理することにより、特定の機能が特定地域に集中するのか、あるいは広域的に共有されるものなのかを検討します。

第三の目的は、発掘成果も踏まえ、櫓台上の構造について議論することです。礎石や柱穴の有無・配置状況などから、櫓・井楼・柵列など、どのような構造物が想定されるのか、あるいは必ずしも建物を伴わない形の兵員の配置(駐屯)空間であった可能性が高いのか、などについて考えていきます。

また、報告者の皆様には討論で深めたい論点を少なくともそれぞれ一点、提示して頂けるようお願いしています。全国城郭研究者セミナー実行委員会で設定する論点と併せて整理し討論会の出発点とすることで、個別事例の報告にとどまらず、全国規模で櫓台についての議論を深めていくことを目指したいと思います。

【図版】
【別紙(研究史・参考文献)】

報告者の公募

1日目に行う一般報告の報告者を公募していました.

過去のセミナーの発表内容